迷い道

 いつも通いなれた道なのに、初めて夜走った。大きな道なので右左折の専用レーンに枝分かれしている。ぼんやりと運転していてはっと気がついたら左折オンリーだった。仕方が無いから左折して忙しく道を思い出す。そして「ワタシハドコヲハシッテイルカ」状態になった。疲れていたのだと思う。午前中の研修は次々と相談を受け何を食べたか分からなかった。そのまま面接に入って都合十数人の話を聞き続けたことになった。
 道に迷うなんて、どきどきしたけれど懐かしい気持ちだった。見知らぬ街ではないのですぐ元の道に戻れてしまったけれどラビリンスは心を解放してくれる。ちょっと幸せだった。