セカンドオピニオン

 家族が医療関係者だらけの方が自分の治療方針がばらばらで困惑している。誰の意見に従い誰の処方に従えばよいのか振り回されてどうにも身の置き場がない。仕方がないのでわたしに助けを求めてこられた。わたしとて何が判断できるわけではない。わたしも困惑した。だけれどふと思った。普通の人の普通の判断をこの人は欲しいのだと。そこでわたしならばどうするかを考えた。一切の立場や学派を捨てて自分が今どういう状況にあるのか、不安な点を全て述べて判断を仰ぐことを求めるだろう。セカンドオピニオンを求めてみたらいかがでしょうかと提案してみた。本人がどう判断するのかは分からないが、その方向で主治医Aに紹介状を書いてもらいたいといってみるそうだ。ホームドクターBの反応はその後のこと。相談医Cの意見は参考までにという割り振りができればよいのだが。
 やぶへびだったのは、家族ではなくわたしにその時の付き添いを頼まれたこと。考えてみれば付き添うべき自由な立場の家族がこの人にはいない。はっきり言えば家族全員が医療従事者なのだ。絶句してしまった。わたしの業務にはその項目はない。神様これって受けねばならないことでしょうか。フリーで活動していると時折こんなオプションを求められて、迷う。本当に今この人が欲しいことを自由に満たすことができるから、フリーをえらんだはずなのに。いつの間にか自分の中に仕分けができていることに気が付いた。祈ってかかわりのあり方を決めていこうと思う。もう一度この仕事を始めようと思った原点を考えてみたいと思った。