GSの東北・北海道地区成人研修

秋の野

 毎年の研修だけれど、北海道まで含めるからこのときでなければ合えない人たちにまた会うことが出来る。それぞれの地域の事情もある中で何とか一歩前に出ようと頑張っている姿を見ていると胸が熱くなる。ガールスカウトは来年90周年を迎える。単なるお稽古事ではなく生活の中で生きてくる力、人生を受け入れる勇気を育てていこうとする活動だとおもっている。難民キャンプの中でさえスカウト活動が行われているしその団のリーダーはかつて父親が身を捨てて命を守ってくれた少女達だ。親の血の中で命を拾った彼女達が同じような運命に生きる幼い人たちに「人間としての誇りと、生きる勇気と喜び」を伝えている。かつてオランダでユダヤ人をかくまった罪でゲットーに入れられ、解放された女性が最初にしたことは自分の団の少女達の安否確認と「例え何があっても生きることは素晴らしいのだ」というメッセージを伝えることだった。多くの女性達は名も残さず、しかし次の世代にこういう形で「いのちの歓び」を伝える。その端っこに私の場所もある事は、私の人生の中で決して些細なことではない。私は私の手の届く範囲で同じ事をやっているのだと、ひっそりと思っている。
 女が女として産まれ凧とを悲しむことがない時代が来ると良いな。今私たちはジェンダーをあたかも過去のことのように思っているけれど、性差別はこの世界のいたるところにあり、私たちの生活の中にもあり、私の心の中にもある。
 生き生きと活動している先輩達の姿を見ていると、あんなふうにおいてゆきたいなと思う。そこには愚痴もうらみも見えない。お互いの胸のうちには嵐もあうだろうけれど、それを内に秘めることの出来る度量もある。いい女達が沢山いる。