月一回の集まりだけれど

雲たちの集まり

 毎月たった一回のものだけれど、この日を忘れないで遺族達が集まってきてくれる。そこで語られることは、それぞれの心の中のほんの少しのことだけれど、そのわずかな言葉が言えなかった事たちの記憶に繋がっていて、語らないにもかかわらず、心の重荷を軽くしてゆく。ここにおいてゆく作業を私たちは毎月一回繰り返している。生きていくことは人の人生を引き受けて語り続けてゆくことなのかもしれない。亡くなっていった者たちの思いを今の私の現実の中でひと時思い起こし語る。幻の時間かもしれない。涙が言葉を紡いでゆく。