向く・向かない

 今日SVをやっていて、いきなりもうやめたいといわれた。びっくりした。全く話を聴くことが出来ない。自分はやさしさに欠ける。この前のエンカウンターの中で、孤立感を感じた・・・・etc。一旦聴けないと思った途端、心が閉ざされてしまって受容が出来なくなる。
 長くやっていると慣れが出てくる反面、自分は本当に聴いているのか、受け止めているのか、流されているのではないのかと苦しくなることがある。だからこそのSVなのだけれど、その前の感受性訓練の中で周りと自分の間に壁を感じてしまい、すくんでしまったという。痛々しいと思った。
 普段の生活の中で普通にやっていることが剥ぎ取られてゆき、相手に良かれと思うことが教育的指導だといわれる。助けてあげることが何故いけないのかと食い下がられて、この基本的なズレをどう修正したらよいのかとしばし戸惑う。
 その人は私にこう言った。そもそも自分探しのためにカウンセリングを学んだ。私は自分と出会いたいのだという・・・この感覚をどう受け止めたらいいのだろう。探している自分と探されている自分をこの人はどう自己一致しているのだろうか。そんな統合の取れない自分で苦しくないのだろうか。第一探している自分も探されている自分も同じ自分自身ではないか。この一件合理的に見える言葉のまやかしにイライラする。まるで自分の尻尾を追いかける子犬のようだ。