さいわいなるかな

 老いていくことが幸いであるためには、若い日にどれくらいきちんと老いの準備が出来るかに掛かっているような気がする。経済的なことも勿論だが人間関係、社会性、自己管理。精神的にきちんとした大人になっていることが一番大事であるように感じる。このごろ私が出会う人たちは、本当の意味で大人になっている人が少ない。童還りして我が強く、排他的なお山の大将タイプが多いと思う。地域の町内会長の会議を隣の部屋で聞いていると、余りの発言にこちらの仕事が手に付かなくなることがある。いつのころからこんなに子供っぽい人たちが多くなったのだろうか。それとも私が老いたからそう思うのだろうか。今の若い人はなどと恥ずかしくて言えない。今の大人たちは本当の成熟の域に達した人が少ないのは何故なのだろうか。戦争をはさんで子供時代を過ごした人たちが今老人の中心になっている。価値観が根底から覆された体験が影響しているのではないだろうか。どこか必死の自己主張を聞いているとそんなにしてまで守りたいのは何なのかと思う。このことに関して少し考えを進めてみようと思う。