自分の名義にした

すっかり緑の欅並木

 親分のお金ではなく、自分の貯金から払おうと思ったので自分の名義にした。今まで何のためらいもなく大きな買い物は皆夫の名義にするのが当たり前だったけれど、自分の仕事で使うものを自分で何とかしたかったから。同じお財布なんだからおかしなことだけれど、何となく嬉しかった。考えてみれば自分の物と主張する体験は余り持っていない。いつも誰かと共有していて借りているような気分になって、生きてきた。お家賃をいただいている家も土地も私の名義であってもそこに住んでいないから実感はない。相続の時に問題になるくらいなのだろうなと思う。女性ってこうやって一生誰かに寄りかかって生きてゆくのかな・・・こんな考え方は古いと思うけれど、自立しているという実感に程遠い経済力しか持たないから(実家の家賃と、仕事の報酬でやっとお一人様分の収入しかないから)実感が湧かなくても当たり前。もし夫の転勤について歩かず、別居してきちんと一箇所に就職していればこんなことにはならないと思う。家族を維持するためにはフリーで、夫について歩いて、夫の転勤先で自分の場所を探すしかなかったからコレしか方法がなかった。いつも何か居場所を見つけてきたほうが奇跡みたいなもの。そう思っている。子供が七人それだけでよいとしよう。よくやった自分。などと言ってみる。今日は父の日。子供達に「おめでとう」といわれてくすぐったそうな親分だった。