約束

 自分の日程がどうしてもつかなくて予約をキャンセルすることがある。それが度重なるともう相手にされなくなる。どんなに優秀な人でも基本的にドタキャンを繰り返すとすればもういっそいないほうがマシということになってしまう。こうしてまた一人私のボランティア仲間が一方的に「もう名前を消してください」と責任者にいわれてしまった。ドタキャンはされてしまうと弁明のしようがない。ただ仲間として「ごめんなさい」を繰り返す。「あなたにあやまってもらってもねえ」本当にその通りだと思う。そして思う。ドタキャンってその人にとってもどうにも抑えが効かない心の癖、行動パターンなんだよなあ。じっと観察していると見えてくる。だから事前にキャンセルされて困ることは絶対に頼まない。いてもいなくても困らない、勿論いてくれたら助かるけれどというようなことばかりさり気なくお願いする。自分が人に頼まれごとをするとき、自分が本当にその人に信頼されているのか。私は能力はともかく約束だけは守る。これは幼いころから教え込んでくれた親に感謝。信頼を裏切らないことは人間の基本だよ、と親も可能な限り子供の信頼を裏切らなかった。大人になるにつれて社会でもまれるうちに、沢山の裏切りを味わってきたけれど、自分から裏切ることはしてこなかった。裏切られることが私に教えてくれた。沢山授業料を払ったけれど、それが私の宝になったとも思う。裏切られても裏切られても、自分を見失わないで生きていこうと思った。キリストは徹底的に最後まで裏切られ続けて死んでいったから。私もその道を歩こうと思った。中々難しいけれど。