あれやこれやで

 読まなければならない本が山済みになった。学会で専門書を作っている本屋が直販をやっている。送料無料で一割引ので円単位は切り捨て。美味しい話でつい乗ってしまった。地方都市では中々専門書は手に入りにくくネットでは内容のチェックが難しくて・・・図書館はこんな場合は何の役にも立たないというのがよく分かっているから。本が増えると置く場所がないから肩身が狭いのだけれど。本棚はついに玄関にまではみ出し二本並んでいるし。各部屋はスチール製の味も素っ気もない奴が壁という壁をおおい尽くしている。そのほかに倉庫をかりている。なんとかしなくては・・・。せめて貸し倉庫の分だけでも整理できたらと思うのだけれども。何が道楽かと聞かれれば仕事がらみの本かなあ・・・。
 雨が降ってグランドはまるで鏡のようだ。ドラえもんの鏡面世界をおもいだす。子供の頃雨が大好きで水溜りの中の空を眺めていると自分が空にいるようで幸せだった。雨は人の心に懐かしさを運んでくるのかもしれない。やさしさや、いたわりを連れてくるのも灰色の色合いの所為かもしれないな。明るい光の中で人は活発になるけれど、こういったくぐもった色の中では落ち着きを取り戻すのかもしれないな。二極性の躁鬱の患者さんが感情の上と下を切られているから感情が平板になって自分が押し延ばされているようで息苦しいといっていたのをふと思い出した。薬であげて薬で抑えて・・・・自分を取り戻すために漢方薬に切り替えたいといっていたけれど、薬を変えることがまた新たな困難を引き起こさなければ良いのだけれど。
 生活してゆくことはこんなにも困難を克服することなのかと思う。何の違和感もなく日常を過ごしてゆけることがどれほど恵まれたことなのか。もっと心の健康を与えられた人は喜んでよいのだと思う。当たり前に過ごせることほど当たり前のことは無いと思うから。全ては奪われなければ分からないことなのだけれど。