担当変更

 二年が最大期間なのでどんどん担当が変更される。やっと生活の建て直しが終わってこれから楽になってくる目処が付いたら私はその方の担当をおりる。不思議なものでしっかりと向き合ってお互いの信頼関係が構築されお互いに心を通わせることが出来るようになるとうるさく言わなくても本人の問題行動が収まってきて、自分の手の中に抱えきれる生活に変わってくる。生活が狂いだすことの根底にあるのは人間の関係性の中にある揺らぎなのではないだろうか。かみ合わなくなるとき、不安になる時、孤独にさいなまれる時、ものを買ったりギャンブルに嵌ったり、恋愛や友人に依存したりする。そして関係を維持するためにお金や身体を差し出してしまうのではないか。どこかで別な形で心が満たされれば、程ほどのもので満足できるようになる。私のかかわってきた方たちの問題行動はそうやって収束してきたように思うのだが。
 また新しい方の担当になって問題行動と取り組む毎日が始まる。それは関わる私自身の生き方を問い返されていることにもつながって行く。地に足をつけ、目を上げてしっかりと関わってゆこう。この思いを心に納める。