走り抜けるように

シャルトルの大聖堂で

この一年
私は私らしく生きただろうか。
節目の年を私はしっかりと生きただろうか。
祈りの中に静かに生きただろうか。
悲しむものと共に悲しみ、生きようとするものに手を差し伸べてきただろうか。
聴くべき言葉を聴き取り、語るべき言葉を語り、黙すべき時に沈黙できたのだろうか。

静まることを知りたい
無駄なことをせず
必要なことだけをして
ひっそりと退きたい

何者でもなく
ただ過ぎてゆく風のように
軽やかな存在でありたい

大きな声で人を支配することをせず
柔らかな声で相槌を打つ
そんな聞き手でありたいと思う


応えはいつも相手の中にこそあるのだから