サンタ

 だからこそ、ささやかな贈り物をしたいと思った。自分では思いも付かないものを貰ったら気が晴れるかもしれない。無駄な出費かもしれないが、辛い時だからこそ心を贈りたいと思う。サンタは誰の心にもいる。それは物質ではない。手で触ることはできないけれど確かにある、優しさや暖かさを一瞬何かに託して手渡される。クリスマスはお互いの中にある暖かな気持ちを解放する時。打算ではない。受け取ることの尊さを身をもって味わう機会なのだ。あたかも合理的なおねだりのチャンスと思っている人がいたら、それはあ、余りにもさもしい。まず与えることが先にたつ。お互いに与えることがクリスマスの心なのにな・・・