支えるということ

 カウンセラーの資質は何かと問われれば、相手の中に生きようとする力がある事をたとえ死の見え隠れする状態でも信じられること。そしてやがて来るであろう死をなすすべもなく受け入れるのではなく、扉を開けて出いくイメージを持てること。死は滅びではなく、新たないのちの始まりであると思えることだと感じる。死後の世界がどうのという次元ではなく、いのちが無に帰すものではないと思えること。相手の中に生きていこうとする勇気がなくてもやがていのちそのものがその勇気を目覚めさせる時が来ることを信じられること。特にいのちの境目を体験した人にとって再びこのいのちを生きることに決めるまで長い葛藤が続く。簡単に『生きていていいのだ』といえない事情があるとき、にもかかわらず軽やかにきっぱりとそう宣言できるか。その一言を吐く私自身そう確信していなければその言葉は力を持たない。