師匠が帰った

寝る時は一緒

 自分のことよりも家族の一人一人のことを気にかけて、穏やかな空気を残してさらりと帰っていった。いつの間にか自分のことをしっかりと見極める力が身に付いたようだ。それだけ痛い思いをして、辛さを飲んだのだろうな。自分らしく生きることにはからきし不器用な娘だ。何とか彼女のよさを理解する人が居ないものかなと思う。
 子猫は少しずつ人間の世界になれつつあるようだ。傷ついたけだものからキカン気の毛玉に変化しつつある。心を開くまでには長い時間がかかる。人も動物も同じこと。無理強いは出来ないのだ。