懐かしい人

ここがあの南小泉村

 長いお付き合いの修道女が体調を崩し、そのピンチヒッターに東京からどなたかが派遣されてきたという。用事もあったしご様子も気になっていたので書院に行って見た。なんと師匠がお世話になったお方がいらっしゃるではないか。お互いいつどこへという定めのない者同士。しばしの再会を懐かしく思った。
 私が長かったお下げを切ってしまったことで名前を認知してくださるまでにはかなりの時間がかかったが。おかしかったのは25分たって思い出されなかったらしく「お名前は」と聞かれて「○です」と応えたときの彼女。飛び上がってしまわれた。「懐かしくてよく存じ上げているはずなのに名前が結びつかなかった。」私はお下げで認知されていたらしい。その後、姫がやってきてこれは一発で認知された。面立ちも体つきも双子のようだから。何でこんなに似るのだろうねと驚かれた。
 修道女の荷物は肌着と修道服と何冊かの本と身の回りのごく限られたものだけ。いわばとトランクひとつと段ボール箱いくつかなので「後何時間後にここへ」という転勤の指示が出るとそれにしたがってさっと荷物をまとめて任地に向かう。今回も午前中いっぱい仕事をして、呼ばれて「明日着任」だったとのこと。いくらベテランでも部屋ひとつ片付けねばならないので(彼女はオフィスを一つ持っていた)一日伸ばしてもらったとのこと。すさまじいな。1.5日ですべてを片付け、荷造りして引っ越すんだから。「物を持たないことはすばらしいな」と物欲まみれで今日もしっかりほしかったものを買い込んでしまった私は思う。
 家庭生活をしていると自分だけではなく家族のだれかれが喜びそうなものをつい買ってしまう。これが自分ひとりだったらほとんど買わずに済ませてしまうだろうな。今日は「文具の杜」で「誰が袖」を見つけて買い込んでしまった。私の精神安定剤はお香の香りで身に着けるものにあの香りがしていると何とか踏ん張れる。もちろんスーツのポケットのも入っている。いくつあっても多いということがないので今回も売り場をカラにしてしまった。当地ではほしいものがいつでも手に入るというものではないので見つけたとき必要数買い込んでしまう。ネットで買えばよいというが却って高くつくこともあるのをここ数回のいろいろの買い物で学んだ。まあ。これでしばらくは私の精神は安定するであろう。それにしてもキャンプ用品といいここ数日の出費は少し大きすぎるかも。