気がついたこと

自分の言葉が、ほかのひとのこころにすっとしみこんでゆく瞬間。手ごたえというよりも、もっと自然な感じで吸収されてゆくという感じ。こうやって私も人の言葉に養われてきたのだと思う。心に残ったのは「私は私を語る」「私の言葉を信頼する」自分の言葉を信じて相手に届けようとすること。届かなかったらどうすれば届くか。言葉を転がしてみる。丁寧に相手の手ごたえを感じながら、確認しながら言葉をつむぐ。言葉が生まれてくる感覚。私の話し方はどうやらそんな風なものらしい。発作的に絵を描きたい衝動が起こる。クレヨンで絵を描く。音楽を聴きたいと思う。音がない。目を瞑って耳を澄ますと小鳥の声やせみの声が聞こえる。世界は音で満ち溢れている。静寂ではないにもかかわらず静寂と思う。激しい雨の音が聞こえる。犬が悲しげに鳴き続ける。人間の言葉もこんな風に吸い込まれてゆくのか。大きな闇。