そろそろ

 荷物を置く場所を確保したい親分とまだ掃除を徹底したい私の間でせめぎあいが起こっている。彼にしてみれば私が物を捨てながら掃除をし続けているのでは自分がやれる仕事ができない。そこでもはや彼は彼のペースで一番手始めに出来る不用品の箱詰めを始めた。それが本。詰めた箱を置く場所を確保するスピードが間に合わない。私のスピードが追いつかないのだ。とにかく彼のテンポに追いつくまでこつこつと休まず続けることにする。彼も日中仕事をしていて、夜は階下に響くからせめてできるうちにやっておかなくては、また私に「やらない」と言われてしまう。どっちに転んでも辛いことになる。気の毒・・。私は私で時間切れで、もうとりあえず詰めてしまって引越し先でゴミを処分するのはとことんやめたいのだよ。きっと捨てようとしてもう一つ踏ん切りがつかなくて先延ばししてしまう、未練がましさがものの抱え込みにつながるんだよなあ。何のかのといってもDVDにしても本の箱詰めにしても親分なりの心遣いなのだと思う。上手く私に伝えられないもどかしさも感じてちょっと優しい気分になる。いくつになっても私にそっと気を使う。不器用な人だなあとしみじみ・・だから続いているのかもしれない。お互い個性が物凄く強いから。難しい組み合わせだと思うし。