高速バスで

ふらりともどってきた。母親は何が食べたいのか胃袋のことばかり気になる。何で食がメインになるのだろうか。私の母もそうだったな。顔を見るなりどれくらいいられるかを聞いてその間の食事回数を数え何を食べさせるか献立を考えて買い物に走った。子供は全く何食べようかなんて考えてもいないのでううるさいと感じたり迷惑だったのに、今親になってみるとそれしかないのだな。してあげられることなんて。なんもない。お風呂沸かして洗濯した衣類を着せてゆっくり眠らせておなか一杯にして、それ以外何もない。
 親分は中学の同級生と夜会う約束をしていたけれど午前中は仕事で、夜もいなければ息子とゆっくりする時間もないのでひっそりと友人と会うのをキャンセルした。今度いつ会えるか判らない、まして単身赴任してしまえば任期が終わるまで会うこともできない。そう思えば優先順位が一番高いのは息子と言うことになる。姫は午前中は進研ゼミの模擬試験があって朝七時二十分に学校に行った。親分は七時前に出勤した。皆忙しそうだ。私は明日の午前中はこの前のレンジャー全国ギャザリングの報告書作成のためにレンジャーに招集をかけて出なければならない。ジョナサンが折角帰ってきてくれたのにこちらがあわただしくてかわいそうだが今の時期どうしようもないのだ。
 せめて一緒に居られる時間だけは大切にしたい。