もっと現場を大切にしてよ

 今日は精神障害の方の訪問日だった。以前から時々特定の介護者との噛みあわせが悪くトラブルが多い方だったが、決定的にぶつかってしまい、介護者が退いた。その後ご本人はその人を懐かしみ『どうしてこないのか』『会いたい』と言うが同僚の介護者はその間のいきさつを現場で知っているので内心穏やかではいられない。チームを組んで仕事をしていく上でこのようなことは時々起こるが、本人の気持ちも、介護者の気持ちも、両方をうまく通い合わせて協力体制を作っていくためには、現場の職員の心のケアが大切だと思った。
 ヘルパーとしての研修や訓練を受け現場での経験を積み上げていても、とっさのことで深く傷ついてしまったとき、それを個人の力で回復してゆくことはとても難しい。援助者の援助をきちんと系統立てて行ってゆかなければ現場は使い捨てられてしまう。
 私はそのヘルパーをケアできない立場なので、どうにもならずにもどかしく思う。介護組織の関係者はもっと現場のヘルパーを大切に扱ってあげなければ、ヘルパーの仕事は辛い仕事だと思う。今のヘルパーステーションは人員配置と時間のやりくりで手一杯で、心のケアがなおざりにされている。コムスンの時も思ったが個人の力でカバーできることをはるかに超えて過重労働で支えられている上に、暖かさや優しさまで要求されても、ゆとりがなければ提供することはできないではないかと思う。友人にケアマネージャーや、ヘルパーがいるが、会うたびに彼らが磨り減ってゆく様子が見て取れて悲しい。こんなにも懸命に働いていても感謝されることは少ない。