吹雪

今日は雪が舞っている。高校は推薦入試のためおやすみ。姫は友人と待ち合わせてこの雪の中を出かけていった。毎日学校で会っているのに何で休みの日にまで出かけていって会わなければならないのか分からないが。そういう年齢なのだろう。楽しい時間はすぐ過ぎ去ってゆくから大切に守ってあげたい。
 明日は緊急ケースが入って4ケースになった。一日掛かるけれど、このところ精神のバランスを崩す人が多いのが気になる。季節が徐々に冬の寒さから春に向かいつつあるから気配を感じてバランスが崩れるのだろうか。このような時人間もまた自然の一部なのだと感じる。目には定かに確認はできなくても命のリズムはかすかな変化に反応してゆく。空の明るさや日の長さや風の吹き方や本当に小さな変化がもたらすものの影響の大きさを思う。自分もまたその影響を受けて気がつかないけれど反応している。その反応がまた相手の変化を呼ぶ。人間が社会生活を営む生き物である以上このように関係してゆくことによって引き起こされる連鎖は断ち切ることはできない。全く影響を断つならば閉鎖空間に隔離してゆくしかない。それは社会的な個人の死を意味する。人道的な処置とは呼べないだろう。多くの精神障害を抱えた方達と関わっていてこの件に関して深く考える。施設から社会へ、病院から家族へというのはたやすいが果たしてそれが解決になるのだろうか。その方の人生、家族の人生。どちらも尊い人生なのだから。
 答は出ないまま今できる最良の答を探す。それしかできない中でそれを選択する勇気を持ちたい。