事務所で

書類を作成しながら隣室の会議を聞いて居てたまげてしまった。区の老人会の発表会をやるらしい。わめく・怒鳴る・いらだつ。あんな言い方をされたら私なら切れる。戸を開け放しているから皆丸聞こえなのだ。いらいらして胸がドキドキしてきた。すると何という事か、ちゃんと上手くいなしてするすると議題を進めてゆく人が居るではないか。お見事であった。今にも血管ぶち切れそうに罵り合っていたはずの人達が「まあまあまあ」とにこやかにお茶をすすっている。これぞ年の功だ。注意して聞いていると投げつけられた言葉の殆どを投げ返さない。都合よく聞こえなくなるらしいのだ。そして「喋らせて置けば収まる」事も分かっているらしい。いやあ驚いた。それにしても年寄りというものは、仲間内ではつつしみも、遠慮も無いものだとしみじみと思った。