親分

俄然ベランダで私がこの三年間放置し続けた植物の残骸を片付け、植え替えを始めた。あのこがなくなってから私は殆ど外のものには心が動かなくなっている。私がクライエントなら軽度の欝だと診断するだろう。眠りも変則的だし体調も悪い。気分も無理をしなければ持ち上がらない。それでもこのまま自力で何とか立ち直りたいと願っている。精神科医との関わり方やその扱いが今の私には辛いものがある。開かなければ治療できないのだが私は自分の心を開きたくはない。ひっそりと時間をかけてセルフケアをしてゆくつもり。そんな動きの悪い私を責めもせず黙ってほおって置いてくれるのはありがたい。でも彼は物の価格なんててんでお構いなしなのでさっきも梅干用のタッパーのクイーンサイズのシール容器をごみ入れにしようとしていた。やめて。それセットで万単位の金額になるんだよ。姫は『お父さん楽しそうだからいいね』といっている。日曜ガーデナーっは彼にとって良薬だったらしい。