ぱぱんが
外の空気を胸いっぱいに吸い込んで ゆっくりゆっくり庭を歩いていました。わたしはその後ろからカメラを構えて付いてゆきながら、繰り返し単純に「嬉しいな」と思っていました
死んでしまうのかなと思ったり
足を切断するのかなと思ったり
先の見えないまま状態が悪くなって
苦しんでいる姿を見守るしかなくて
でもいまこうして彼が
自分の足で歩いていることが事実で
又、私の場所に帰ってくることになって
二人の間に一番大切なことを又しっかりと心に刻んだ
何時の日にか死が二人を別つことがあっても
病がからだの自由を奪うことがあっても
言葉が通じなくなっても
自分の心を伝えられなくなっても
変わらないものがあるのだと
他の誰にも補うことが出来ないものがあるのだと
ゆっくりゆっくり
後ろを歩きながら
繰り返し思っている
夫婦と言う生き方は
他に代わりの無い「関わり」の生き方
相手のための存在であると言う生き方
自分と相手の関係性の中に自分を置く生き方
与え与えられ循環の中に生きる
存在の根本を変えてゆく生き方