電車事故から一年

mugisan2006-04-25

月日のたつのはなんて早いのだろうか。あの悲しみの日から一年がたとうとしている。突然家族が奪われてしまった気持ちはその体験者にしか分からない。時間は体の外を流れてゆくが、心はその一瞬から動かない。時間の流れが全てを解決してゆくなんて周りの人間が思うこと。遺族は思い出す必要が無い。忘れる事など無いのだから。その苦しみの時間を生き続けているのだから。
 悲しんだら亡くなった人が浮かばれないなんていわないで欲しい。この悲しみが唯一死者と生者を繋いでいるのだから。この痛みの中でしか共にあることを確認できないのだから。マダ私はこんなに悼んでいるよという事しか死者に手向ける事が出来ないのだから。死んでいったものと悲しみを共有する事でかろうじて今日一日を生きているのだから。
 周りの人間達よ。優しさがあるのならば、せめて何も言わずタダ黙って傍にいて欲しい。言葉は要らない。タダだまって共にいて欲しい。心からの哀悼を沈黙の衣に包んで欲しい。


愛しい者達を残して旅立っていった人々に哀悼。
残された家族達に哀悼。
例え体は滅んでも貴方達の心は今も変わりなく此処にある。
愛するものたちの中にある。
私はそう信じている。
そう信じていなければ生きてはいけない。
安らかに眠る必要などない。
ともに此処にあって残された者たちの日々の営みを共に喜んだり、悲しんだりして欲しい。生きていたときと同じように。
また必ず会えるから。
私も何時か其処に行くのだから。
しっかり目覚めていて私を抱きしめて欲しい。
愛を込めて。
合掌