くぎ煮

神戸の震災の時福島に居て直ぐ救援体制を家族で立ち上げて救援をした。既に転勤の内々辞令が降りており、4月の転勤の荷造りもそこそこ、直前の奥尻地震の救援体制のまま滑り込んだ。家の中は自分の荷物と救援物資で倉庫と化していた。それから転勤先でまた救援を続けた。その時、東灘で窓口になったH夫妻と親しくなった。
 彼らがまた生活を立て直した春「くぎ煮」が送られてきた。それから毎年春一番の便りはくぎ煮だ。私は新米が出るのを待って送ることにしている。今年も昨日くぎ煮が届いた。今年も春が来てあの人達も頑張っているんだなとしみじみ思う。さまざまな事があった。送り主のH夫妻は震災前はフィリピンのスラムの方々の援助をしていたり在留外国人特にペルーやフィリピンなど問題を抱えたケースの方々の援助活動をしていた。
 震災の後また以前と変わらずに活動を再開した。自分たちだけでも大変なのによく人の面倒を見る力があると驚く。彼らは自分たちだけの回復は考えもしなかった。だから復興後も潰れなかったのだろうと思う。世の中にはひっそりと地道にどえらい事をやり続けているお方が居る。その活動を見ていると無理していないし、誰からも褒められようなんて思っていない。自分達が生きるついでにお隣さんも一緒にどうぞという感じ。ああ凄い人が居るもんだ。