雛人形

昔から大好きでこの季節つい買い求めては人様に差し上げる雛人形がある。鳥取の「れんべえ人形」加藤康兵衛作の土人形。仲人をした若いカップルや、外国から来られた方や、沢山の女性達に贈ってきた。ふと思い立ってスナフキンのお大事さんにチョコレートのお礼に買い求めた。
 お返しと言う気持ちではない。女から女へのエール。ジェンダーを長年学んできて、女の人生と男の人生の違いをこのごろ強く感じる。私も3人の娘を育てているが、女が自分の人生をよいものとして受け入れる為には自分の希望や夢をいつも守って大切に育ててゆく必要がある。
 この小さなお雛様は私に若かった頃の、人生に向かって柔軟だった自分を思い出させてくれる。あの頃の自分には無かったしたたかさも今私は手にしているのだろう。いろんなことに折り合いをつけるために失ってしまったものは大きいがその結果手にしたものも大きい。人間として嫌な奴になるか、傍に居て欲しい人になるかは毎日の生活の中でいつもさりげなく問われ続けている。
 自分を殺さない事。相手も殺さない事。互いに傍に居ても活かしあえる事。これが一番難しいな。そんな思いを込めて贈り続けている。