雨が降って

 外はすっかり冬の匂い。カテドラルの聖堂にはネイティビティがしつらえてあります。待降節の始まりです。毎週ごとに羊飼いや、動物が増えていきます。最後の24日の深夜ミサで幼子イエスがそっと馬小屋の飼い葉おけに置かれます。この美しい風習を思いついて始めたのは、アシジのフランシスコです。ドイツではクリッペとよびます。アドヴェントにはベツレヘムへの旅を私たちも自分の生活のなかで体験してゆく習慣があります。幼子の飼い葉おけのわらに見立てて一日一つ何かをおささげする。古い習慣です。
 六本木のフランシスカン・チャペルセンターの玄関には大きなツリーがあって其処にたんざくのようなカードが沢山ぶら下がっています。其処には、お菓子とか、靴下とかノートとか、沢山の寄付の品物が書かれています。それは、企業や、一般の人が恵まれない子供たちにプレゼントを申し出ているギフトタグです。皆ツリーの贈り物リストを見て自分もまた一品書いてぶら下げます。クリスマスイブにはお約束の物が実際の形で贈り物として寄付されます。実現可能で、現実的だけど暖かいクリスマスの贈り物です。アドヴェント期間に六本木に行く事があったらフランシスカン・チャペルセンターのクリスマスツリーをご覧下さい。あそこにはクリスマスのこころがあります。ヨゼフ様のような優しい目をした修道士達がいます。陽気な人たちです。