もうすっかり秋ですね

空が大きい

 いつの間にか半そででは寒い。制服はマダ夏服なので姫は「寒い」といながら出かけていった。駆け足で秋が通り抜けていく。忙しさにかまけて、畑の整理をしていません。これは困った事だ。種は一日播く日が遅くなると収穫は2週間遅れる。雪が来るかこないか今年の天気しだいで収穫も変化する。もう少し近ければまめに通ったか も知れないが、今年は親分にも時間がまるでないからしかたがないのかもしれない。もう直ぐまた寒い冬が来るんだなあと思う。北国の夏はあっけなく去ってった。
 コレからが忙しい季節の始まり。少しずつ身の回りを整理して自分達が何時でも飛び立てるように準備する。渡り鳥のように。何時まで飛び続けていくのか分からないけれどどこかに終着地点があるはず。自分がどんな道筋を生きてきたのか、歩みつつあるのか穏やかな心で振り返る時がもう直ぐ来るのだろうが、今は只先へ進む。
 自分が振り捨ててきたものを拾い上げる事はしないつもり。今日一日を淡々と心安らかに過ごしたい。昨日書院でシャルル・ド・フコーの「霊のあふれ」を見つけて思わず買ってしまった。すでに書店では見かけなくなって久しい。ひっそりと改定版として出版されていた。出版社がマイナーだから一般書店で見かけることは殆どない。見つけたもの勝ち。逃したら二度と手に入らない。「砂漠の師父」と呼ばれるフコーの書いたものを読むと、きりりとした気持ちをとりもどせる。全てを削り取って心が肉体を纏ったような人だ。
 自分に甘い事が見えてきて、うつむいてしまうが。