あらまあ大変

 この社宅は動物厳禁である。しかし、なぜか単身赴任のはずの我が家の頭の上から大型犬の声が聞こえる。気がついてはいた。私たちも大将の猫を預かっていたから、大きなことは言えない。気がつかない振りをしていた。しかし、先日親分が、ラプラドールを散歩しているX氏を目撃した。当たり前だよ。あんなデカイ犬を隠して置けるものではない。時間の問題だった。このところベランダで日中ほえる声がしていた。危ないなあと思っていた。ついに先ほど、隣接している、若い職員の宿舎の子供軍団に見つかってしまった。子供たちの甲高い声が聞こえる。「あそこに犬が居るよ。かわいいねえ。でもココで飼ってはいけないんだよねえ。」後はワンワンと上と下での大合唱。子供たちの親がこの騒ぎを聞きつけて、おろおろと呼び戻す。なんせ上司は恐いのだ。これから我が家にも子猫がおしっこトレーニングに来る。開け放しの窓に、いきなりあく玄関のドアに、全神経を集中せねばならなくなる。気がつくと、カーテンと網戸の間に子猫が挟まって世の中を眺めていたりするのだ。子猫はどんな隙間からでも外に飛び出してゆく。子供たちはこの手の発見には容赦が無い。ナムサン無事に乗り切れますように。