手焼きの笹かま

 仙台の名物に笹かまぼこがある。二十人町という駅裏の小路に昔からの造り方で親子代々笹かまぼこを作っている小さなおみせがあった。仙台近郊の浜で上がった魚を使って、混ぜ物を一切しない。だから日持ちはしないし、割高で小ぶりである。でんぷん質の増量剤は入っていないし、個別包装もない、勿論保存料も入っていない。噛むと荒引きのソーセージのようにざらざら、もっちりとしてまるで刺身を食べているような味がする。生のお魚を食べているような味わい。美味しい。ただし保存が利かないから移動が出来ない。お土産には向かない。土産土食である。お店のご主人ももう年であるし、朝焼いた分が終ったら店じまい。30年ぶりにお目にかかった。すっかりお年を召されて上品なお爺様になっておられた。なつかしかった。都市計画に入っているので後3年とおっしゃっていた。

NHKの全国の名品で紹介されたし、大阪のY新聞がインターネットで記事をのせていた。もし機会がありましたら、どうぞ。 佐藤蒲鉾店 二十人町です。