それでも戦火は消えませんか

 かつてポープが日本に来られた時、広島での平和ミサの説教で『戦争は人間の業です」といわれたが、2000年の昔から人間は同じ過ちを繰り返し続けている。戦火に費やすお金と、人間があるならば、今全てを被災地に結集させたら、どれほどの命が救われるだろう。人は自分で自分を救う事はできない。他者を救うために自分を捨てるとき初めて自分もまた救われていく。自分だけ助かる事はできない生き物なのだと思う。 遠くに出かけていって誰かが救援に当たる。その人を助け支えるために、その人の近くにいる誰かがその人のサポートに回る。その人をサポートするためにまた誰かが、自分の仕事にその人の分をプラスして働く。またその人を・・・・こうやって人間の救援のための鎖がつながってゆく。その最後に自分がいるかもしれない。こうやって人は『わたしが』ではなく『私達が』と連帯の中で自分を役立てて生きていけるようになる。人間が、一つの目的を持てるとすればそれは『わたしが生きていていいように、あなたも生きる権利がある』と共に確認しあえる世の中になることだと私は思う。命の差別化をしてはいけないのだと思う。