朝が来て

夕方の虹

夜中の2時にラジオで義父の作曲した曲を聞いた。予期してなかったので不意打ちだった。彼の経歴がアナウンスされ、曲が流れた。たったそれだけなのに「頑張れ」と肩に手を置かれたように感じた。この頃、突然うめきそうになる。しゃがみこんでうめきそうになる。何事もなかったかのように暮らしているけれど、毎日絶え間なく「何故帰ってこないの」「本当に死んじゃったの」とつぶやいている。苦しくて、悲しくて。でも、誰もその気持ちをそのままには受け止められはしない。私は私を抱えて行くしかないのだ。自分がこんな仕事をしているから、余計にそう思うのかもしれない。自分で出口を作らなければ。眠られない夜が、果てしなく続いている。こんなクライエントなら、「心療内科を受診なさっては?」と薦めるだろう。少量の睡眠薬と安定剤と、暖かなカウンセリング。孤独を避けて人のぬくもりを薦めるだろう。どなたか安心して心を休ませてくれる身内はありませんか?お前がそれを欲しがってどうするんだよ。と小さな声がする。何とか冷静に朝から3時間半。穏やかなカウンセリング時間を提供した。