夜中に、悩むな

恒例のキャンプファイアー

 キャンプの最終日、前夜中から振り出した雨は土砂降りとなり、テントの床は最強の手当てがしてあるので、下からの浸水はまず大丈夫だけど、側面は、弱い。とりあえず壁にさわらなければ、水を呼んでにじみこませなくてもすむ。今のキャンプ場は整備されすぎて、草地を傷つけられないから、テントの周りに水路を切ることが、できない。悩んでもしかたがない。幸いにして無風である、神様ありがと。
 深夜2時,ザッザッと足音が近づく。テントの際をゆっくりと歩く音。隣で寝ていた蛙姫が、私の置きだした気配で一緒におきて外に出た。誰も居ない。後で、パトロールと判明。ご苦労様です。でも怖かったよ。
 雨はますます激しくなり、一度途中でおきだしたのと、寝る前のビールと、水の音のトリプルパンチで、何年ぶりかで、もしかしたら二桁ねんぶりかで、懐かしい学校の壊れて使用できないトイレの夢をみた。コレは危険信号。待ったなしで眼を覚まして、きれいな本物のトイレを探さなくっちゃ。ほっとしたのが午前4時。雨がやまない。
 どんなに今土砂降りでも、どこかで鳥が啼きだしたら必ず雨はあがる。5時からすの声が遠くできこえた。やったね。鳥の声が少しづつ確実に増えていく。5時半雨はあがった。食材を確認しながら、残り物で朝ごはんを作る。このときお勧めが何は無くても、ホットミルク。身体があったまる。だって吐く息が白いんだモノ。寒い寒い。
 ここはチェックアウトが9時半なので、のんびりはできない。雨の後はテントをひっくり返して、風を当ててて,底を乾かすのが鉄則だがそれができない。できる限りたたいて水滴を落とし、さらにタオルで拭きながらたたむ。テントは建てるよりも、撤収で実力がわかる。ましてや悪天候なれば、困難はいかにうまくやるかの快楽になる。我が家は大型7人用が二張りとタープとシュラフが7人分,食器も食料もすべてが団体様である。
 かつての幼かった時代は過ぎて、気がつけば、子供たちももはや一人をのこして、みな大人、積み上げたキャリアはさすがで、さっさと分担して、あれよあれよという間に撤収完了。
 指揮官は大将と蛙姫がうまくチェンジアタックして、他の連中が指示を飲み込んでまあ、見事でした。いままでの経験では、誰かがドジを踏んで、誰かが切れるのですが、猫王子のおかげで、笑いながらの作業でした。だってヤットの思いで初キャンプに適応し始め、身を隠すところを見つけたのに、、次々と取り壊されてゆくんだ物。あせって大変だった。猫語で『何処に居ればいいの。居るとこないじゃないの」とわめき散らしているのがおかしいんだモノ。
 無事ご帰還。御昼ごはんはさすがに外食。蛙姫は、明日は御仕事があるので帰る姫。出先でわかれた。3時前、陽が出て暑くなったので、人の居ない、居住区の駐車スペースでぬれたものをかわかした。明日がはれとは限らない。できるときにやっておかなければ、ナイロンはむれて、豚と化すのだよ。後始末ができてなければ、次のキャンプは地獄の黙示録。猫王子は、久しぶりに安心エリアでさっそくウンチを連発した。嗚呼すっきりといったしぐさがおかしい。
 帰ってきたらテレビの老朽化が進み、勝手にチャンネルが教育テレビに切り替わったり、音量が上がっていったり、リモコンの電池を抜いても駄目。ポルターガイストかと。壊れたら,無しで行こうか。それともデジタルか?ああ考えたくない。
 ヤット寝たと思ったら、深刻な相談電話が入って、一晩、頭の中で、思い悩んでしまった。人事では有っても、聞いてしまえば、無かったことにはできないもの。
 夜中に悩むのはやめろよ、せっかくの御布団での眠りだったのにさ。ばかな私であるよ。