厳しかった夏だった

はまなすの実は ジャムになる




また一人亡くなって、
今年の夏は体の弱った人にとっては
厳しいものだったのだなあと思う。
人は季節の変わり目に
ふっと旅立って逝くものらしい。
BABAのなくなったのは八月二十六日。
暑い日だった。
JIJIが亡くなったのは四月八日
春の入り口だった。
弱った体が、
もういいかなと決めたのだろうと感じた。


 悲しいけれどどこかあきらめにも似た
見送りの気持ちになる。
旅立っていく人の航跡を
私たちはなぞることは許されない。
ただまぶしく光り
去ってゆくことを祈りながら見つめている。


老いて死を迎えたにしても
そこには誰も奪うことが出来ない尊厳がる。
命の重さを犯すことは誰にも許されない。