昨日から

 相談受けるケースが,対アスペルガーの人との関係の悪化の話が多くて、なんだか気持ちがやりきれなくなってしまった。なんで「相手は障害だから、こっちが我慢しなければならないんですよね。でもつらくって」という言葉ばかりつぶやくのだろうか。相手が障害を持っていたにしても、現に被害を受けているわけで、すべて被害者が許す、飲み込む、しかないとすれば、そんな関係はおかしいではないか。そんな関係はちっとも対等ではない。

 あなたの言葉や行動にこんなに傷ついているんですよ。何とかしてこのことを繰り返さないでくださいと言ってはいけないのか。結局相手は何の成長もなしにその困難の中に見捨てられて置き去りにされていくだけではないのか。周りにばかり努力を求めないで自分自身も歩み寄れる道を模索してほしいよ。
 こんなことを言ったら、私は石を投げられるだろうと思う。それでも関係を続けていくしかない人にとってはこの日々のささくれは命を縮める。生きることから喜びを奪ってしまう。なんて悲しいんだろうか。だからせめてカウンセラー相手に胸の中の塊を吐き出す。いろいろああしたらとかこうしたらとか、提案はあっても今それではない、まずこの苦しみを聞いてと訴えられると、その大変な日々のやり取りをひたすらに聞く。
 それにしてもなんでこんなにも件数が増えてきたのだろうか。知的能力に差異があるわけではないので、優秀な成績で社会的に活躍されている方もたくさんおられる。その中に埋もれていったであろう周辺の人の努力と忍耐を思い、気持ちが切ない。
そしてその当事者の痛みも思う。周りが傷ついていく中で自分だけ無傷というわけはないのだもの。きっとその人も又傷ついている。今後この問題は大きくなっていくだろうと思う。