再びの

 テロの事件を見ていて、たまらない気持ちになった。今再びハマーショルドの「道しるべ」を読んでいる。言葉の一つ一つが今でも少しも色あせず、立ち上がって迫ってくることに驚く。短い文章をひとつづつ腑に落としてゆく作業をしている。何が正しくて、何が間違っているのか。時代を共にする一人の人間として、私はどこに足を置くべきなのだろうか。テロと宗教的核心は全く立場を異にすることだけは私にもわかる。単にこのことが宗教的なものではないこともわかる。テロには知らねばならなくなる状況とは何か。巨大な絶望感と高揚感がそこにはあるらしいことはわかる。絶望が希望の衣をまとい、命の捨て所の道しるべになる。その仕掛けを作ったのは誰なのだ。誰の理に帰するのか。益を受けるのは誰だ。