暑かったけれど

野草園萩のトンネル

 今日は年少部門の野外活動日。野草園に行った。今日はまず水を飲むこと、虫を怖がらないこと、大まかな時間割の中で自分たち園内地図を見ながら、ルートを決めて歩く。最年少が5歳児なので彼女がペースメイカーになって歩いては立ち止まり、周りを観察しながら前に進む。



 小さな人たちの背丈ではヤマユリの背丈が顔のあたりまで来るので、なかなかワイルドな感じ。やぶ蚊に刺されて「この場所にお薬り忘れていた」とあわてて塗ったり、蜘蛛の巣がくっついて思わず息が詰まったり。いつもはギャン泣きするけれど、今日はぐっと我慢。蜘蛛の巣のないところを用心深く探して歩き続ける。上り下りの山道を一生懸命小さなリュックを背負って歩いた。



 あずまやを基地にしてそこに不要のリュックを置いて、まず自分たちのやりたいことをやってみる。
身軽になってぐるりを歩いてみる。私は荷物の番をしていることにした。一回りしてさあ次に何をすればいいのか。今日は大人が指示を出さずにスカウトたちで自然発生的に何が起きるのかを待ってみる。ジュニア一人と年長のブラウニーが考える。さあ何が出てくるだろうか。
 小石を拾って目印の道しるべを作ってテンダーの小さな人たちに教え始めた。すると、小さい人たちはしばらくは楽しかったようだけれどいいことを思いついた。


 セミの抜け殻を見つけて、割れている背中に小さな石を詰めて、風で飛んでいかないように工夫して、せみのぬけがらでおままごとのお客さんごっこが始まった。お姉さんの二人が大きな欅の木の下が風の道になっていてとても涼しくて、直射日光がまぶしくないことを発見。さっそくシートを敷いてそこでお昼ご飯になった。


 大人はわざと東屋の基地から動かず、少し離れて見守る。どうしてもママから離れられなかったテンダーが、ママに「あっちに行ってください」といったのにはびっくり。もしかしたらお母さんのほうが子供のそばから離れることができなかったのかもしれない。


 そのあと一時間半自分たちのやりたかったことを楽しんだ。いつもおうちでは、ゲームを手に一人遊びをするのだけれど、ここには自分の持ってきた、七つ道具のスケッチブックとクレヨンや色鉛筆しかない。それぞれが自分の書きたいものを寝っ転がったり座り込んだり思い思いの格好でおしゃべりをしながら書いている。一歳未満の赤ちゃんが一人いたのでもうそろそろ解散しなければならない時間。誰かが気づくだろうか


 帰りの時間になったので荷物をまとめ出口に用意してあった七夕様の短冊をそれぞれ書き、こよりで笹竹に括り付けた。解散のために輪になってそれぞれの感想を聞く。みんなその人なりに楽しかったようで、秋にまた来ようということになった。野草園の職員さんにお礼を言って解散。

 今日のテーマは「クマのぷーさん」の名言「何もしないことをする時間」を過ごしてみるということだった。大人が指示を出さないで自分たちが本当にやりたいと、そのとき思ったことをやってみる。散策もした。観察もした。ご飯も自分たちだけで食べてみた。ちょっと絵を描いて静かな時間も過ごしてみた。いろんなことを感じた一日だったと思う。野山に詳しい親分が大人グループにいろいろな植物や木々や鳥の解説をしてくれたので、大人には大人の楽しさがあった。あるお母さんが「久しぶりのまったりとした時間だった」といったのが印象的。震災後働き場所を探してみな働き出した。私の団は全員ワーキングマザーであるから、こんな時間はめったになかったのだろう。