蝉がなく

 蝉が鳴いたら梅雨が明ける。地中深く潜って幼虫時代をすごして、ひょっと土から出てくる日が梅雨明けの日なのかな。虫ってすごいな。そのアンテナを太古からも授かっているのだもの。虫にになって生きるのも悪くはないな。ニンゲンデアルコトガ虫であることより格段によいことであるか、この惨状を生きてみて、私は言い切れない自分を感じている。