二年越しで

雪空だけど咲いている

 引きこもっていた方が、ふらりと外に出てみた。週二回の訪問が一回でよくなりそうだ。これはすばらしいことだ。その分私は収入が減るけれど、そんなことはいい。いつの日にか、私の訪問がなくなって、その人が自分ひとりで毎日を暮らすことが出来たならそれが私とその人のゴールだから。いつまでも見守るなんてことはできない。人間は出会っては別れることの繰り返しのなかで自分の世界を広げてゆく。たとえ何かがあって足踏みをしなければならなくても、それが自分の成長の涙と思えるようなそんなゆとりがこの人に生まれてきた。しみじみと嬉しかった。人間の強さを見守っている。これは春に向かって心が重い衣を一枚ずつ脱ぎ捨てて身軽になってゆく強さかもしれないなあ。