雨が横殴りに降る

水底のような街

 SVをやっていたらバイジーがそわそわ外を気にして落ち着かない。聞けばこの風では在来線が止まるかもしれないと心配している。かなり遠方から来ている人だと分かり、帰ることができなくなったら大変と大急ぎで終わる。春の嵐は今年は厳しいなあと思う。せっかくの花の季節が嵐続きで、人間はご相伴に預かる事ができない。考えてみれば、自然は自然のままに悠然とそこに生きているだけ。それを人間が何とか生活の中に取り込もうとして右往左往しているだけなのだ。見方を変えればなんとおかしなことをやっているのだろうか。
 我が家の大学一年生は、未だに大学のリズムに乗り切れずアルバイトも探せないでいる。学校だけでこんなに大変なのにこれ以上仕事が増えたら学校休んでしまいそう・・・という。それが通用するのは、それだけ親が甘いからかもしれない。同じ条件でバイトをしている子は沢山いる。働かなければ学校に行くことさえできない子もいる。疲れるから休めるのは贅沢なことだと思うのだが・・・そこまで言わずに「そうなの?仕方ないか」といっている私は、何を持ってこの複雑な気もちを示したらよいのだろうか。親の背中だけはしっかりと見せている筈なのだが。親がやるのは、親の事情と思うのだろうか。もう少し彼女が環境に慣れるまで静かに見守っていようかと思うのだけれど、自立して欲しいと願う心は揺れる。