仕事を終わって

雪の朝

 事務局から一歩出て呆然とした。雪・・・一面の雪。駐車場の車がすっぽりと雪に包まれてどれが自分の車なのか分からなくなっていた。雪を手で払ってとりあえず車を出す。緩やかな丘陵地帯を抜けるのでカーブと長いアップダウンがある。怖かった。自分だけではなく周りの車が、みんなのろのろと走っている。一番怖かったのは長い上り坂をよろよろとバイクが登ってゆく。いつパタンとこけるか、予想がつかない。そろそろとあおらないように近づいて抜いたときはほっとした。そのまま学校で受験勉強をしていた姫を迎えに行く。もう八時をとっくに過ぎている。中央線が、見えないので対向車とのすれ違うときの車間が怖い。雪でサイドミラーもよく見えないし、停止線も見えない。勘と記憶だけで走る。ぐったりと疲れてしまった。