何のために生きねばならないのか

こう問いかけてきたクライエントと緊急に面接をする。幾度もこの泥沼にはまってしまった人で今回もとても不安定。ゆっくりと話を聞く。そしてふと「あなたが今まで何度か繰り返してきた未遂なんだけど、どれが本気で死にたくて、どれが周りに対する見せしめだったか分かる?」と聞いてみた。こうして思い切って大胆だけれど細やかな気配りをしながら、一つ一つの未遂の洗い直しをした。なぜ未遂を繰り返したのかではなく、一つ一つのその時点にたって何がその時その行動を選ばせたのかを語ってもらった。何のために生きていなければならないのかの答えはおのずとその中から生まれてくる。
この次の面会日を約束してパチンと手のひらを打ち合わせて分かれた。命がつながったと思った。