先手の私が珍しく追われている

夜を行け

 いつもなら一日前に完了の私がタイムラグの無い状況であたふたしている。まあまだ生活を乱されるほどに追い込まれては居ないから、よしとする。おとといも、昨日もダウンしてしまった。日常の活動は何とかこなしたがその後ご飯を作って食べずに寝てしまったり、食べるどころか、おきていられない。コルセットなしでは寝返りもママならないからどこか熟睡できない状態が体の負担になっているのだろう。
 とにかく眠ろうと努力する。体が不調な時、まず私は眠る。体が自分を整える時間とゆとりを取り戻す努力をする。そんなときの眠りは色んな夢を見る。焦りがそのまま夢になって酷い状況だったり、胸がはヵはヵして目が覚めたり、そんな時こそ「わたし」をいとおしいと思うことが肝心。ひっそりとこんなにも頑張っている私の小さな努力をきちんと受け止めてやる。そしてそこに自分らしい解決法を見つける。夢を見たくないから薬を飲むというやり方は私は余り良いとは思わない。 
 こんなとき人はそれぞれ自分だけのおまじないを持っている。私は身の回りににおい袋を置く。胸に挟み込んだリ、胸ポケットに入れたりする。香水も好きだけど、切羽詰ったときは日本古来のお香のにおいが、わたしには効く。ゆっくり吸い込んで呼吸を整えるだけだけれど、ほんの少し煮詰まった気持ちが和らぐ。ろうそくをともしお香をたく。目の前に形を置くことで自分の心の場所を定めてゆく。祈りというものはそういうものの一つの表れなのだろう。マントラもロザリオも繰り返しの中から異次元への扉を開く。自分のなかに自分では無い空気を招きいれ自分を治めてゆく作業。