節約

そして、二度と同じ轍を踏まないように肝に銘じる。今回マンションを探してみて自分達がほとんど住居費を負担に感じない程度の金額で暮らしてこられたことを思いその分を節約していたら家が二軒くらい建ったかもしれないなと思った。社宅はここに住まねばならないという束縛があり、人間関係のうっとうしさもあり嫌がる人が多い。私も社宅は余り好きではないが子供を育てなければならないからその分の経費を住居費で浮かせられたのは幸せなことだった。もし社宅でなければ子供を七人育てることはできなかったと思う。わたしのいちばんの節約は社宅に住んだということだな。ずいぶん窮屈な思いもしたけれどありがたかった。
いざとなれば手放して現金に換えられるように麦ハウスを手に入れた。コレがあれば首になっても住むところだけは確保できる。そう思って若い頃無理をして用意した。私の老後対策だった。
 さてこれから何を節約して暮らしましょうかね。もうしばらくは衣類は買わなくてすむことを確認したし、本は最低限にしてネットと図書館をフルに活用しよう。ブックオフも利用しようと思うよ、今以上に。今でも古本を最大限利用しているけれど。
 ノートや紙や筆記用具の類は死ぬまで足りそう。ときどきコピー用紙を買い足すくらいでいけそうだ。いつか思う存分絵を描いてと思って集めた画材が山のようにある。私はどんだけ老後を楽しみにしてきたのだろうか。もう少しでゆったりと暮らせるようになると思ってその日のためにせっせと色んな材料をかき集めてうっとりしていたらしい。
 夢の代価とすればささやかな可愛いものだ。自分でも可笑しくなっちゃった。私はとことんお金の掛からない人だ。親分の節約第一は私を嫁にしたことだろうよ。