スナフキンの誕生お祝いのときマージャンをやった。音楽の代わりに「かもめ食堂」を流してくれた。フィンランドの町並みの中に色彩が美しかった。あのさらりとした彩度の高い色の組み合わせが好きなのだと思った。内容も面白かったし好きな作品だったけれど私はあの色彩に魅せられた。きっといつか、色を拾いにいきたいものだと思った。茶色や灰色の混色されない純度の高い色味。日本の色調には青や黄色が隠されているから暖かい反面、色に軽やかさが感じられない。さっき、ふとそんなことをセーターを選びながら思い出していた。はじめは鮮やかに感じていたこのメーカーもいつの間にか彩度を落として日本人好みのアースカラーに落ち着いてしまった。きっと売れない色から落ちていって無難な万人に好まれる色合いが残ったのだろうな。なんだか寂しいな。私は発作的にマリメッコの強烈な色合いが欲しくなるときがある。親分はジャンセンのすっきりとした味わいが好き。私よりも好みが繊細だと思った。色は不思議。本人が無意識に感じ取っている感性のあり様を好みという形で表してくれる。