グループホーム

 このところ精神障害者や高齢者のグループホームを運営するところが増えてきている。大型の福祉施設が解体され地域の中で小さなコミュニテイを作って生活することが求められている。多くの人は生活保護を受けているから基本的な費用は取りはぐれがないため、安定した利益が見込める。薬でコントロールされまた社会的入院を避けるために患者自身もおとなしく平和に生きようとする。扱いやすい人たちでもある。病気が重くなればすぐ病院措置が取られるから施設の負担も大きくない。普通のアパートを改造して作ろうとしているところ。普通の民家を使っているところ。畑をつぶして新規に始めたところ。さまざまであるけれど、果たしてそこで暮らすことが社会参加であったり、地域で生きることなのか。考えてしまう。本当に考え込んでしまった。
 何かが違うのだ。小さな囲い込みが行われているように感じる。彼らはこのグループホームから出ることなく、このホームの経営する作業所で働き、年老いる前にまた少し年齢の高い人たちのグループホームに行く。そして最後は老健施設か、精神病院でなくなってゆく。これが社会の中で地域の中で暮らし生きるということなのだろうか。関わる人間は行政の福祉の人、病院スタッフ、ホームの指導員など限られてくる。これが開かれた地域型の福祉なのだろうか。グループホームでアットホームな家族の生活と歌われていても、そこには無理がある。スタッフの低賃金と過重労働とによってささえられている現状。この施設で働く人もまた孤独に分断されている。もっと精神的に開放された働き方はないものだろうか。
 かつて子供が増えた時期にたけのこのように小さな幼稚園や託児所ができた。タクシー会社が始めたものや、観光業者が始めたものや色々あったが、いつの間にか消えていった。今、福祉がお金になる。そういえばあちこちにデイサービスの場所ができた。ショートステイがついたものがほしいといえばそれもできた。今それらは立ち行かなくなって閉鎖に追い込まれている。お金の流れになじまないと思うのだが、行政が関わるところからは補助金や保護費が流れ込む。確実のお金が入れば取りはぐれはない。
 
 でも・・・・やっぱり何かが違う。