ママの事もあって

認知症およびアルツハイマーの関連文献を読み漁っている。読めば読むほど『では今何が出来るのか』が問題になってくる。遠く離れて犬の遠吠えのように物を言って一体それが何の足しになるというのか。私の事情から飛んでいって直接介護と言うわけにも行かない。同居して観察して施設に入らず最後まで自分の家で暮らせたらそれが幸せなのか。同居する子供の家庭はどうなるんだろうか。かつてJijiを引き取って暮らしたときのこと、babaを遠距離介護で毎週末県境を越えて通い続けた日々のことなど思い出してはあの頃の辛かった事がゆり戻ってきて泣けてくる。私一人だった。誰に相談する事もできず一人で幼い子供の手を引いて駆けずり回っていた。一生分の苦労をしたつもりだったけれど、そうは行かなかった。
 ママの事を思うと切ない。老いてなお身の振り方が定まらないのは悲しい。安心してぼけてゆくことが出来る世の中にならないものだろうか。少なくとも私が関わっている要擁護の方達は何とか社会資源の力を借りて一人で生きている。身寄りがないと言うことも大きな武器だなと思う。家族が居たら社会資源の利用の幅が変わってくる。本人が社会資源を利用する気になってくれたら、家族はいっそ居ないほうがいいのかもしれないなどとおろかな事を考えたりする。切ない。