中学の離任式

 姫はまた中学の制服を着てばたばたと出かけていった。何時までも中学の姿を引きずっているのが可笑しい。今日はギュダ君の担任だった先生が転任される。一人また一人と彼に繋がっていた人が去ってゆく。心寂しいがコレが人生だ。受け入れるしかない。人生は出会いと別れが何時も交錯して新たな展開を作ってゆく。そのことを上手に受け入れてゆかなければいかんのだ。「さよなら三角」は「またきて四角」なのだ。再び出会うとき新たな要素がまた一つ増えている。別れの後に来る時間が自ら紡ぐものがあるということか。複雑な人間模様を楽しむゆとりは何時生まれてくるのだろう。もう少し熟成して豊かな人間性をわが身のうちに育てられたら、きっとゆとりを持って人生を抱きしめる事が出来るのだろう。