君に聞かせたい歌がある

昔繰り返し聴いていた歌が突然カーラジオから流れてきてガンとショックを受けることがある。昨日仕事で移動中「ミスターロンリー」が流れてきた。ジェットストリームのテーマソングだったこともあるがベトナム反戦のあの時代とも重なってまさにショックな一撃だった。あの時JIJIもBABAもまだ元気で、このままの家族が永久に続くような気がしていた。未来に何の不安もなかった。自分がやがて結婚する相手と同じクラスに居ることも知らなかった。一緒にクラブ活動をしている友が数年後に自死するであろうことも知らなかった。それぞれがやがて過酷な人生の道を一人で歩んで行くことになろうとは思いもしなかった。
 今私たちが生きているこの場所にあの日々がつながっていることなど思いもしなかった。自分でさえ予測できなかった時間の流れがもたらした出来事をこの曲がこころの扉を開いて眺めさせてくれた。もしコレが聞こうとして聞いたのならば此処まで記憶を開放はしなかっただろう。不意打ちのかばいようもない無防備の中で起こったことだったからあっという間に記憶のふたがはじけたのだろう。
 人生にはこんな歌がいくつかあるのだろうな。自分では意識していなくても不意にその歌が聞こえてきたらそれだけで「参った」というような歌が。