きりたんぽ

 年賀状に夫が回復したことを一文添え書きして、私たちの中学時代の恩師に出した。二人とも教え子だから何時も「あなたたち」と呼びかけられる。きりたんぽセットなるものがあなたたちあてに届いた。開けてみると肉や野菜やスープがセットになってなべにあければそのまま食べられるようになっている。折角なので大将にも声をかけて皆で頂いた。いくらなんでも4人前には足りないので、ご飯を炊いてだまこ餅を作った。せり、キノコ、鶏肉、ねぎも足した。美味しかった。恩師に電話でお礼を言ったら『あなたたちも若くはないのだから、年なんだからね。あなたは気持ちも意志もとても強いが、からだは弱かったからね。何もかも強いと言う人は居ないのだから気をつけなさい』と諭された。『年なんていわれたくないです』と言ったら『私は年を取ったと言うレベルではなく、まだ生きているのかと言うレベルだからね。トシを取れるのはまだまだ』と言われてしまった。恩師はいくつになっても恩師であるよ。心がふと優しくなった。こんな物言いをしてくれる人がいることはなんと幸せなことだろうか。